「今日は、たけのこを掘るぞ!」
意気揚々と出かけて行ったが、現実は厳しかった。
思ったより見つけるのが大変で、「見つからな~い」「手伝って~」という声がそこら中から聞こえてきた。
「あった!」
やっと、自分で見つけることができると果敢にたけのこ掘りに挑んでいった。
けれど、またすぐ困難が…。土が硬くてなかなか掘ることができない。またまた、弱気な声が聞こえてきた。
「掘れな~い」「手伝って~」。
午前中いっぱいたけのこ堀りをしていた子が満面の笑みでビニール袋を見せてきた。
「見て!4つも掘った!」
弱音を吐いていた子がたくさんのたけのこを持っていることに驚いた。
「どうやって、こんなにたくさん掘れたの?」
と、聞くと、屈託のない笑顔をして
「2つは頑張って掘ったよー。あとは友達が手伝ってくれたー」
その竹の子は特別だね、と伝えると不思議そうな顔をした。
後ろで聞いていた子が口をはさんだ。「だって、自分で頑張って掘った竹の子は特別だよ。きっと、おいしいよ。」最後まであきらめず、友達にも認められた竹の子の味はきっと格別なもの。自然の中でまた一つ宝物が見つかった。