今年の夏も里山BASEがやってきました!

夏真っ盛りの中、子どもたちは毎日冒険です。
里山BASEでは毎年いくつものドラマが生まれます。
少しずつ紹介していくので、ぜひ漏らさずご覧になっていってくださいね。

里山BASEには、3ヵ条のオキテがあります。

その中の一つが「友達のことも考えるべし!」

みんなに聞いてみましょうか。

お友達って誰の事?
「ここにいるみんな」
「自然、植物とか」
「カマキリとかバッタとかもだよ」
なるほど、なるほど。
そうだよね、山で出会った生き物も友達だよね。
今日はどんな遊びが出来るのか、と期待を胸に出発。

途中の畑では早速カナヘビを捕まえました!
けど、
「すぐ逃がすよ、だってかわいそうじゃん」
と、捕まえた男の子が答えます。
ちゃんとお友達のことも考えてるね。

でも捕まえたのは先頭グループの子。
後ろのみんなはカナヘビが見えない。
「じゃあ、カナヘビを持ってここでみんなが通るときに見せてから、逃がしてあげたらどうかな」
1人の男の子が提案しました。
それ、いいね!
  
順番にカナヘビを観察した後、畑に逃がしました。
先頭から遅れてしまった男の子は急いで先頭に戻っていきました。

ホリデーの広場についたら、
「ねぇ、みんな見て見て!」
あ!カブトムシが棒についてビニールひもに絡まってる!
 
自由に動くことが出来ず、もがいています。
「助けてあげようよ!」
と、子どもたちのカブトムシ救出作戦が始まりました。

まずは棒からカブトムシを引きはがします。
ビニールひもをほどこうとしていますが、複雑にからまってほどけそうにありません。
1人の子どもがスタッフからハサミをかりてきました。
これでなんとかなるかな!?
「足をきらないでよ!」
まわりの子どもから激が飛びます。
 
まるで手術をしているようです。
あともうちょっと・・・!

やった!からまってた大きな塊が取れた!
蚊に刺されながらもミッションコンプリート!
助けたカブトムシは木に逃がします。
 
捕まえても助けても、最後は住みよいところに帰してあげる。
BASEのみんなはそれがわかっているようです。
「誰かが捨てたひもで、山のお友達が傷ついちゃうのかなぁ・・・」
スタッフがボソッとつぶやくと「はっ」とした男の子がビニールひもを拾いに行きました。二次被害も防いでおかないと!

今度は青空広場だ!
どんなお友達に会えるかな。
元気いっぱい遊んだ後、次のところに行こうかどうしようかと相談タイム。
BASEではやりたいこと・行きたい場所は子どもたち自身で決めます。

時はお昼近く。次の場所に移動する前に
「虫かごの中のバッタとか、逃がしてあげないと」
と、1人の女の子に声がかかりました。
でも女の子は逃がしたくないようです。

BASEでは多数決では決めません。
「逃がした方がいい人ー」「はーい」「ほら、賛成が多いからちゃんと逃がしなよ」
なんていうことを言う子はいません。
納得するまで話し合います。

でも相手は小学一年生。
どうやったら納得してくれるのかな・・・?
「他の友達の子とも考えるべし、だよ」
「虫かごの中に入れておくとストレスで死んじゃったりするんだよ」
「連れて帰るってことは日本人である自分がむりやりアメリカに行かされるようなものなんだよ」
「この子たちに幸せになってもらいたいんじゃないの?だったら逃がしてあげなくちゃ」
「自分が生まれたところで死にたいって誰でも思うはずだよ」
子どもたちは言葉を変えてなんとか説得しようとします。
でもなかなか納得してくれません。

少し話を聞いてみると、
「ママにみせてあげたい」
ということでした。
「じゃあスタッフに写真撮ってもらってプリントアウトしたのをもらって見せてあげればどうかな」
おお、良いアイディア!
「生きてる姿を見せてあげたい」
女の子は答えます。

長い時間話し合いをしていたため、なかなか移動できずに話し合いが長引いてイライラする子も出てきます。
「誰のせいで次のところに行けないか考えてほしい」
そんな言葉も出ましたが
「誰のせい、とかじゃないんだよ」
という言葉が続きます。
「責めてるわけじゃないんだよ」
「ちょっと待っててあげてよ!」
女の子を落ち着かせるように言葉をかけてくれる子もいます。
かばってくれる子もいます。

結局、次の場所に移動するときも虫かごには昆虫が残ったままでした。
「みんなにいろいろ言われて傷ついていないかな?」
心配した上級生の女の子は、そっと1年生の側に寄り添ってあげていました。

そうして、お昼ご飯も過ぎ、川遊びも終わったあと、1年生の女の子はお友達にさよならをして虫かごの中を空っぽにしました。

「ちゃんと逃がしてあげたんだからすごいよ。頑張ったじゃん」
男の子が声を掛けます。

認めてくれる友達がいる。
待ってくれる友達がいる。
BASE3ヵ条、「友達のことを考えるべし」を実感することが出来た一日でした。

次はどんな3ヵ条への挑戦が見れるのか!?
スタッフも楽しみにしています。
乞うご期待!